『金田一少年の事件簿 〜悲報島 新たなる惨劇〜』は、1996年に PS 用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲームです。
私はこのゲームを「キャラゲーの皮を被った骨太な本格推理ADV」だと捉えています。
原作・金成陽三郎先生本人が攻略本(オフィシャルガイド)のインタビューで「予想以上に自分でモノを探すのがおもしろい」と語ったほど、プレイヤー自身が捜査する手応えが強い設計になっているんです!
ただし難易度は高めで、何度もプレイしてやっと「ベストエンディング」にたどり着く作品です。
初見で全てを拾い切るのはほぼ不可能だと思ってください。
この記事では、攻略本『金田一少年の事件簿 〜悲報島 新たなる惨劇〜 攻略オフィシャルガイド』をベースに、プレイ前に押さえておくと捜査が楽になる「全知識」を一本にまとめました。
前作『悲報島殺人事件』のあらすじ、登場人物11名の関係、舞台の地理、そして捜査の質を測る「探偵ポイント」の仕組みまで、順を追って整理していきます。
これはどんなゲームか
本作は、講談社『週刊少年マガジン』連載の同名漫画をアドベンチャーゲーム化した作品です。
原作で人気を博した「悲報島殺人事件」の続編という形を取り、金田一たちが12年ぶりに再び悲報島へ訪れる、というのが本作のスタートラインです。

アニメーションシーンが各所に挿入されており、攻略本のインタビューによれば、原作の編集担当者からも「初めて原作のままの金田一が動いて喋る」「アニメーションシーンには大満足」とのコメントが寄せられています。
ジャンル感としては、フィールドを行ったり来たりしながら情報を集めて回るフィールド型ADVです。
「会話で時間が進む」タイプではなく、「行動で時間が進む」タイプ。
何をどの順番で訪れるかが、そのまま捜査の精度に直結する作りになっています。
クルエイチADVはアドベンチャーゲームの略です!
物語の前提:12年前に何があったのか
ネタバレあり
ここから先は原作『悲報島殺人事件』の犯人・動機まで踏み込んだ要約です。
これから前作を読む予定の方は読み飛ばしてください。
前作『悲報島殺人事件』のあらすじ
12年前、金田一一は母と美雪のたくらみで、ある「悲報島宝探しツアー」に参加しました。
ツアー企画者は美作という人物で、招待客にはクリス・アインシュタインも含まれていました。
一足先に現地へ到着した金田一らを出迎えたのは、しかし、バラバラ死体になった美作の姿。
さらに、招待客は6人のはずなのに、なぜか7人がそこにいた──という形で、第1の殺人と「招かれざる者」の存在が同時に提示されます。
財宝探しに明け暮れる参加者たちのあいだで第2、第3の殺人が連続発生。
殺害された人物は全員、財宝伝説を調査している最中に不慮の死を遂げた佐伯教授に関係していました。
事件の終盤、金田一は財宝の隠し場所「魔の目」の謎を解き、犯人の正体を暴きます。
犯人は佐伯教授の遺児・航一郎でした。
財宝のために父と恋人を失い、人生を狂わされた航一郎は、悲報島の財宝を独占し、財宝に群がる人々に復讐するため、招待客の1人になりすまして島に潜入していたのです。


なお、この事件の裏側ではもう一つの事件も進行していました。
前作で執事・岩田英作(=岩田原人)として身を潜めていた人物は、実は世田谷区の保険金殺人の容疑者で、女装して「茅葺子」を名乗っていた警視庁の坂部刑事に追われていました。
岩田は財宝を目の当たりにすると本性を現し、猟銃で島民を皆殺しにして財宝を持ち去ろうとしましたが、最後は洞窟の崩落に巻き込まれて生き埋めになり、生涯を閉じたと思われていました。
12年後、再び悲報島へ


事件後、悲報島は葉月光定という人物が買い戻し、リゾート開発を進めています。
本作はその開発計画の一環として、再び宝探しツアーが企画されたところから始まります。
前作で財宝の一部を発見した金田一たちが、未だに島に眠る財宝を探す手助けを開発会社に頼まれた、という導入です。
ただし、前作と決定的に違う点が2つあります。
- 剣持警部とフリーライターのいつき陽介が同行している(休暇中/取材目的)
- 葉月家という、財宝伝説を継承する一族が新たに舞台に加わる
特に葉月家の存在が今作の鍵になります。
悲報島という舞台を頭に入れる
島内のポイントを覚えておく


悲報島には、捜査と財宝探しの両方で訪れることになるポイントがいくつもあります。
地図はそんなに大きくないので、最初に覚えちゃいましょう!
| ポイント | 役割 |
|---|---|
| 葉月邸 | 屋敷内に多くの主要人物が滞在 |
| 仮宮(悲報神社) | マユラが建設しようとして中断中の神社 |
| 物置小屋 | 特に何もない |
| 資料小屋 | 東堂小百合が遺跡資料を保管 |
| 緑の鳥居 | 財宝伝説の文字が刻まれた鳥居の一つ |
| 白の鳥居 | 同じく財宝のヒントが得られる鳥居 |
| 洞窟 | 誰かが住んでいる痕跡はあるが… |
| 山童 | 宝に近づく者を殺す半獣人「山童」の伝承像 |
| 桟橋 | 12年前の事件でも使われた古い桟橋 |
| ボート小屋 | 入れない |
| 灯妙の小屋 | 神主・竹内灯妙の住処 |
| 入り江 | リゾート開発でビーチ予定の場所 |
| ポイント | 役割 |
|---|---|
| 黒の鳥居 | 元は赤だが酸化して黒くなった鳥居 |
| 魔の目 | 金田一が前回来た時に財宝を発見した場所 |
| 間欠泉 | 120度もの熱蒸気が噴き出す危険な場所 |
特に鳥居3つ(白・緑・黒)は、揃って初めて意味を持つ仕掛けになっています。
「行ってもなんもなかった」と思った場所も、別のフラグを立てた後にもう一度行くと反応が変わる、というのが本作のフィールド構成の特徴です。



ここで投げ出しがちなのが本作の難所です。
単独では何のヒントも得られない場所がいくつかある、と最初に知っておくだけで攻略難易度は違うはずです。
葉月邸という主舞台


葉月邸は1階・2階・時計塔の3階構造です。
屋敷内では△ボタンでマップを呼び出せるので、初訪問時は必ず一通り見て回って配置を頭に入れておきましょう。


| 階 | 主な施設 |
|---|---|
| 1階 | 玄関、食堂、厨房、図書室、陳列ケース、マユラの部屋、葉月邸(裏) |
| 2階 | 光定の部屋、三村の部屋、葉月邸(裏) |
| 時計塔 | 重要拠点(事件現場にもなる) |
必ず訪れるべき葉月邸の3大ポイント
- 食堂
いろんな人物がたまるサロン的な場所。
メイドの真奈美がよくいる場所で、葉月邸の人物関係を知る手がかりが集まります - 図書室
学校の図書室くらいの広さで、財宝の謎を解くヒントが本として隠されています。
アイテム入手後でないと読めない本もあるので、再訪が前提です - 陳列ケース
光定のコレクションが展示してある場所。
重要な情報の起点になりやすく、2階に来たときは必ず立ち寄りたいポイントです
この3つは攻略本でも「要チェックの3大ポイント」として明示されているくらい、捜査の起点として重要な場所。
毎日必ず1回はこの3箇所を巡回する、というルーチンを作っておくと、取りこぼしが大きく減ります。
登場人物11名を覚える
本作の登場人物は、攻略本の人物相関図上で大きく4ブロック+葉月家とつながる人物に分けられます。誰が誰の何にあたるのか、最初にざっと整理しておくと、捜査中の会話が頭に入りやすくなります。
主人公サイドの5人
主人公チームは前作からの再会組と、新規参戦組の混成です。
- 金田一一(きんだいち はじめ)
-
私立不動高校2年生。
IQ180の天才児だが、勉強・スポーツ面は問題児。
事件の推理にかけては祖父・金田一耕助譲りの本領を発揮する。
本作も「ジッチャンの名にかけて」が炸裂します。 - 七瀬美雪(ななせ みゆき)
-


七瀬美雪。困ったときの頼れるパートナーで、声優は宮村優子さん。 私立不動高校2年生で生徒会長。
金田一の幼なじみで頼れるパートナー。
声優はアニメ版とは異なっていて、本ゲームでは宮村優子さんが担当されています。 - 剣持勇(けんもち いさむ)
-
警視庁捜査一課警部。
金田一一とは「オペラ座館殺人事件」のときからの付き合い。
今回は有給休暇を取って、ある事件を捜査するために悲報島に訪れています。 - いつき陽介(いつき ようすけ)
-


剣持警部といつき陽介。剣持の『休暇中の捜査』が物語の伏線になっているかも? いつき陽介はペンネームで、本名は樹村信介(きむらしんすけ)というフリーのルポライター。
金田一とは過去の事件で行動を共にした間柄。
今回は葉月光定のスキャンダルを取材するために来島しています。 - クリス・アインシュタイン
-


クリス・アインシュタイン。前作に続いての再登場でライバル枠(ミスリード枠) ソロモン王の末裔を自称する13歳の天才少年で、コロンビア大学で博士号を取得済み。
前作に続いて財宝発掘に再挑戦しており、金田一を一方的にライバル視しています。
葉月家の3人+失踪した1人
葉月家は今作の物語の中心となる一族です。
当主の光定と、その子どもたちで構成されています。
ネタバレあり(2日め以降の展開)
以下、Day2 以降に明かされる情報に触れます。
- 葉月光定(はづき みつさだ)— 当主
-


葉月家当主・光定。気に入った人物に時計をプレゼントする癖があり、女性関係も派手。 葉月コンツェルンのワンマンオーナー。
財界の大物で、社会的地位が崩壊するほどの「秘密」を持つとされています。
地下に隠し部屋があるという伏線も。 - 葉月マユラ(はづき まゆら)— 長女
-


葉月マユラ。神社の建設と財産相続権を巡って、本作の重要人物。 巫女として神に奉げるため悲報神社を建てようとしているが、光定の反対で工事は中断。
リゾート開発にも反対しており、現在の財産相続権は彼女にあります。 - 葉月マユキ(はづき まゆき)— 子
-


葉月マユキ。閉ざされた部屋に住む、もう1人の相続人。 幼いときから精神を病んでおり、内側からは開けることのできない部屋に軟禁されています。
マユラと同じく相続権あり。 - 葉月マサキ(はづき まさき)— 失踪した子
-


マサキを名乗って島に現れた人物。本物か偽者か? 12年前に失踪した光定の子ども。
攻略本でも人物相関図にのみ名前が登場するほど隠された存在。
2日めの捜査でマサキを名乗る人物が島に現れます。
失踪したはずのマサキが本物なのか別人なのかが、本作の謎の一つになっています。
葉月家のまかない・メイド
- 相田ヨネ(あいだ よね)— まかない
-


相田ヨネ。光定の乳母にあたり、悲報島の伝説に最も詳しい人物です。 光定の乳母にあたる古参の使用人で、悲報島の伝説に詳しい。
閉ざされた部屋にいるマユキを溺愛しており、マユキのためならどんなこともする覚悟があるとされます。 - 栗原真奈美(くりはら まなみ)— メイド
-


栗原真奈美。葉月邸の人間関係の核となる若いメイドで、食堂で会話する機会が多いキャラです。 葉月家の遠縁にあたる若いメイド。
両親が亡くなったあと葉月家に引き取られ、以降ずっとメイドをしています。
光定とは男女の関係にあり、攻略本の人物紹介では「人間関係を築くのにベスト」な存在と評されています。
木暮開発の2人
- 木暮条一郎(こぐれ じょういちろう)— 木暮開発社長
-


木暮条一郎。リゾート開発を仕切る、本作のキーパーソンの1人。 悲報島のリゾート開発を進める人物。
財宝を手に入れるため、いろいろな人物と裏取引をしています。 - 遠藤信(えんどう しん)— 木暮の部下
-


遠藤信。木暮開発の社員で、気の弱そうな見た目に反して独自の野望を持っています。 木暮にこき使われている社員。
胃が弱く、いつも胃薬を飲んでいる小心者です。
木暮を出し抜いて三村と財宝を山分けする計画を練っているようですが…
葉月家とつながる3人
- 三村翔子(みむら しょうこ)— 葉月家の侍医
-


三村翔子。葉月家の侍医で、政界・財界の大物を顧客に持つ美貌の医師です。 政界・財界の大物の主治医を務める美貌の医師。
光定とは男女の関係で、財宝のためならどんな人物とも結託する、したたかな一面を持ちます。 - 東堂小百合(とうどう さゆり)— 西北大学考古学研究室の大学院生
-


東堂小百合。遺跡調査が表向きの目的のようですが、他にも目的が…? 悲報島の遺跡調査を木暮開発に依頼され、ひと月前に来島しています。
遺跡保護の立場から開発に反対していますが、行動に不審なところが多いのが特徴。
表向きの目的の裏に何かを隠している可能性がありそうです。 - 竹内灯妙(たけうち とうみょう)— 悲報神社の神主
-


竹内灯妙。神主としての真面目さよりも、独自の財宝調査の方が本業に見えるキャラです。 マユラが連れてきた神主。
常時飲酒気味で神主としての品位はいい加減です。
悲報島の財宝に関して独自に調査しており、重要な情報をつかんでいるようです。
探偵ポイント:捜査の質を測る隠しスコア
何のためのスコアか


探偵ポイントは、ゲーム終了時に表示される「キミの捜査に対する点数」です。
点数が低いと「キミの捜査は不十分」とされ、高ければ高いほど名探偵として認められた、という扱いになります。



ただクリアするだけだと”偶然のクリア”なんですね。
クリアに必要な最小限のこと以外にも、探偵として調べておくべきことなんかが多数あるんです!
上がる行動・下がる行動
基本的には「適切な捜査をすると上がる」仕組みです。
会話だけでなく、事件の手がかりや財宝の謎を集めていくほど、探偵ポイントは加算されていきます。
具体的な増減ポイントは以下の通り。
- 1日目
-
行動 増減 備考 各地点に移動 + 1階の各部屋に2度以上行く - 2度以上行くたびにマイナス 図書室のパネル発見 + 木暮の部屋で立ち聞き + 1~3回目は都度プラス - 4回目以降や立ち聞きバレはマイナス 三村の部屋でメモ発見 + 食堂で剣持といつきの会話を聞く + 食堂でクリスと灯妙の会話を聞く + 玄関・裏口で怒られる + 2回目まではプラス - 3回目以降はマイナス 図書室の暗証番号正解 + - 2日目
-
行動 増減 備考 各地点に移動 + 玄関・裏口で怒られる - 3回目以降はマイナス - 3日目
-
行動 増減 備考 各地点に移動 + パスケース発見 + 覚書の選択肢に正解 + 甲乙丙それぞれで1ポイントずつ - 4日目
-
行動 増減 備考 各地点に移動 + ? + 要検証(攻略本に書いてない…)



各地点とは、屋敷の表11ヶ所(入り江など)、裏口2ヶ所(間欠泉など)、屋敷内20ヶ所(食堂など)です。発電機と操作盤は不明…
ここに本作の難所があります。
同じ場所に行きすぎても下がる、立ち聞きはバレる前に引くという、加減のあるシステムなのです。
あまりしつこく訪ねすぎると、かえって探偵ポイントがマイナスになってしまう場合も。
メッセージの違いで自分の点数がわかる
探偵ポイントが高いと、登場人物の会話そのものが変化します。
たとえば1日めの三村との会話は、探偵ポイントが低いと「あら、名探偵の坊や。さっそく探偵ゴッコなの?」と軽くあしらわれる一方、高ければ「やっぱり名探偵の坊やね」に変わります。
一目置かれるような、どこか警戒されているような返しになりますね。



本作はこのメッセージ差分が「いま自分が正しい捜査をできているか」のフィードバックを兼ねています。
ベストエンディングを目指すなら、各日の探偵ポイントを最大化していくのが定石です。
プレイを始める前に押さえておくべき5箇条


ここまでの情報を踏まえ、私が攻略前に「これだけは知っておきたかった」と思う5箇条をまとめておきます。
- 屋敷内では△ボタンでマップを呼び出せる。初訪問時に必ず一通り見て配置を覚える。
- 食堂・図書室・陳列ケースの3大ポイントは、1日のうちに必ず1巡する。
- 立ち聞きはバレる前に引く。同じ場所への過剰な再訪も探偵ポイントの減点対象。
- 鳥居3つ(白・緑・黒)と山童8体は、単独では意味を持たない。揃ってから読み解く前提で集めていく。
- ベストエンディングは1周目ではまず出せない。
私がこのゲームを推す理由
本作の魅力は、原作キャラゲーとしてのよさと、本格ADVとしての骨太さが、絶妙なバランスで両立していることです。
探偵ポイントという隠しスコアで「自分がどれだけ正しく捜査できているか」を可視化し、メッセージの差分や台詞の変化として返してくる作りは、ただシナリオを追うだけのADVとは一線を画します。
出典:『金田一少年の事件簿 〜悲報島 新たなる惨劇〜 攻略オフィシャルガイド』

コメント