『絶体絶命でんぢゃらすじーさん3 ~果てしなき魔物語~』は、2004年12月16日に発売されたゲームボーイアドバンス用アクションゲームです。
タイトルだけ見ると、いつもの「じーさん」のバカゲー路線を想像しやすいのですが、実際は少し印象が違います。
今回は、シリーズファンの目線と、今あらためて遊ぶレトロゲームとしての目線の両方から、本作の良かったところと気になったところを整理します。
- 『絶体絶命でんぢゃらすじーさん3』がどんなゲームなのか
- 今遊んで良かったところと、やや気になったところ
- どんな人に向いていて、どんな人には少し合いにくいか
まず結論
結論からいうと、本作は「じーさんのバカゲー」として期待すると少しズレるが、GBAのキャラ切り替えアクションとして見ると意外と遊びやすい作品です。
4人のキャラクターを切り替えながら進む仕組みはわかりやすく、操作も比較的素直です。
その一方で、過去作のような勢いや無茶苦茶さを強く期待すると、「今回は正直つまらんなぁ…」と感じる人もいると思います。
私はこの作品を、シリーズの中でもちょっと毛色の違う1本として見るのがちょうどいいと感じました。
笑わせに全振りした作品というより、昔話モチーフの世界を4人で進んでいく、やや手堅いアクション寄りの作品として受け止めると印象が良くなりやすいです。
クルエイチ良いように言いましたが、要はキャラゲーとてもアクションゲーとしても中途半端だという感想です…
どんなゲームか


本作は、孫が「桃太郎」の読書感想文を書こうとしているところから始まり、じーさん、孫、校長、ゲベの4人で昔話の世界へ入っていく横スクロールアクションです。
タイトルに「3」とありますが、ゲーム化作品としては実質4作目にあたります。
ゲームの基本はかなりオーソドックスです。
Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃というわかりやすい構成で、4人のキャラクターを切り替えながらステージを進めていきます。
それぞれに違う能力やアクションがあり、進行や宝箱で能力を増やしていく仕組みになっています。
また、星を集めるやり込み要素や、条件で変化するエンディングもあり、見た目以上に“遊び切る余地”がある作品です。
良かったところ
4人切り替えアクションがわかりやすい


本作のいちばんわかりやすい長所は、4人を切り替えながら進むアクションの見通しのよさです。
作品全体としては特殊な題材ですが、遊んでいる最中の感覚はそこまで複雑ではありません。
各キャラの個性がハッキリしているため、「この場面はこのキャラを使うと進みやすい」と理解しやすい作りに見えます。
しかも、キャラ切り替えはメニューだけでなく L+十字キーでも行えて、テンポを崩しにくい点も好印象です。
この手のゲームは、切り替えが面倒だと一気にだるくなりますが、本作はそこを比較的うまく避けている印象があります。



ただ、お助けキャラは結局メニューから変更しないと…
昔話モチーフの雰囲気が見やすい


『じーさん3』は、桃太郎などの昔話をベースにした世界設定が特徴です。
この題材自体がわかりやすいので、子ども向けゲームらしい親しみやすさがあります。
今見ると「当時のキャラゲーらしい発想だな」と感じられるのも面白いところです。
ムービーに当たるアニメ(静止画だから漫画?)もあるので、物語はもちろん視覚的にも楽しめます。
しかも本作は、ただ昔話をなぞるだけではなく、じーさん一行がその世界で好き放題やる形になっているようなので、世界観の説明が堅くなりすぎません。



このあたりは、レトロゲームのレビュー記事でも絵作りがしやすく、スクリーンショット映えする要素だと思いました(笑)
操作性やテンポは意外とちゃんとしている


アクションとしてはオーソドックスで、操作性も軽快、オートセーブ機能もあります。
シリーズのノリを重視した作品というより、まずゲームとしてきちんと遊べる形を目指した印象ですね。
昔のキャラゲーは、好きな作品でも操作面でつらいことが珍しくありません。
その点で本作は、「ネタゲーとして笑う」よりも「意外と普通に遊べる」ところに価値があると言えるかもしれません。
6マップを1エリアとする構成で、テンポ的にも難易度的にもサクサク進みます。
ちょっと難しいエリアもありますが、所詮は小学生向けなのでどうにかなります(笑)
気になったところ
じーさんシリーズらしいバカゲー感はやや薄め


本作でいちばん評価が割れそうなのは、やはりここです。
ネット情報を見ると、ゲームとしては前2作より無難でまともになった一方、じーさんのキャラゲーとして見ると、バカゲー要素が大きく後退したという見方がかなりはっきり書かれています。
これは欠点であると同時に、人によっては長所にもなります。
過去作の無茶苦茶さが好きだった人には物足りなく映るはずですが、逆に「シリーズは好きだけど、遊びとしてはちゃんとしていてほしい」と感じる人には入りやすいかもしれません。
キャラ性能の差


4人切り替えという仕組みは面白い反面、実際の使い勝手には差があり…
特に校長のジャンプシューズがかなり強く、入手後は基本的にこればかり使うことになります。
良くも悪くもバランスブレイカー寄りです。
一方で、ゲベは全能力がしょぼく、冷遇気味です。



ゲべ可愛くて好きなんですが、本作ではほとんど使えないです…
シリーズファンほど評価が割れそう
本作は、じーさんシリーズの一環として見るか、単体のアクションゲームとして見るかで印象が変わりやすい作品だと思います。
ネット上での総評でも、アクションとしては佳作レベルだが、バカゲーとして見ると物足りず、結果として「可もなく不可もなし」に寄ってしまった、という厳しめの評価がされています。
ただ、私はこの“ちぐはぐさ”も含めて平成のキャラゲーらしいと思います。
シリーズらしさを薄めて遊びやすさを取った結果、逆に中途半端に見える。
そういう不器用さまで含めて、今振り返ると少し味があります。



もうちょっとおふざけ・おバカ要素を増やしても良かったなぁとは思いましたが…
今遊ぶ価値はあるか


今あえて遊ぶ価値は、十分あると思います。
ただしそれは、「じーさん史上最高傑作だから」ではなく、GBA時代のキャラゲーがどう手堅くまとまろうとしたのかを見られる1本だからです。
昔話モチーフのわかりやすさ、4人切り替えの見た目の楽しさ、そしてシリーズらしさと遊びやすさの間で揺れている感じ。
その全部が、今見るととても“平成レトロゲームらしい”です。
爆発力だけなら過去作のほうが上かもしれませんが、本作には本作なりの見どころがあります。
まとめ
『絶体絶命でんぢゃらすじーさん3 ~果てしなき魔物語~』は、じーさんシリーズの中ではやや異色ですが、今遊ぶと意外と整理されたアクションとして楽しめそうな1本です。
一方で、シリーズ特有のバカゲー感を期待すると肩透かしになりやすく、まさにそのズレが本作の評価を分けているのだと思います。
だからこそ、このゲームは「名作か迷作か」を決めつけるより、なぜこういう形になったのかを含めて味わうレビュー向きの作品です。

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