久しぶりにゲームボーイアドバンス(GBA)の名作を遊ぼうと思い、mGBAなどのエミュレーターを起動したとき、こんな現象に悩まされませんでしたか?
- 会話ウィンドウが激しく点滅して文字が読めない
- 背景がチカチカして、すぐに目が痛くなる
- キャラクターが半透明にならず、消えたり現れたりを繰り返す
「あれ? ROMの吸い出しに失敗したかな?」
「エミュレーターの不具合?」
と不安になるかもしれませんが、安心してください。これは故障でもバグでもありません。
実はこれ、「当時の液晶画面の性能」と「現代の高画質モニター」のギャップによって起きている現象なのです。
今回は、GBAエミュレーターの定番『mGBA』を例に、この「画面のちらつき・点滅」を解消し、当時の懐かしい色合いと透明感を蘇らせる設定方法を解説します。
GBA画面の「ちらつき・点滅」原因
設定を変更する前に…
少しだけ「なぜこうなるのか」という理由を知っておくと、レトロゲームへの愛着が深まります。
原因は「残像」を利用したトリック


2001年に発売されたゲームボーイアドバンスの液晶画面は、現代のスマホやモニターに比べると「応答速度が遅く、残像が残りやすい」という特徴がありました。
当時のゲーム開発者たちは、この「残像」を逆手に取った素晴らしい映像表現を発明しました。
それが「2枚の画像を高速で交互に表示する(点滅させる)」という手法です。
例えば、『牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち』のテキストボックスや、『F-ZERO』の半透明コースなどは、実は透けているわけではありません。
「背景」と「枠」を高速で切り替えることで、人間の目には残像が混ざり合い、擬似的に「半透明」に見えていたのです。
現代のモニターは「高性能すぎる」
しかし、私たちが今使っているPCモニターやスマホは非常に高性能です。
映像の切り替えが速すぎて、「残像」が全く残りません。
その結果、当時の開発者が意図した「ブレ」が発生せず、「単に高速で点滅しているだけの映像」がそのまま目に届いてしまうのです。
これが、目が痛くなる激しいちらつきの正体です。
【図解】mGBAでちらつきを直す設定手順
この問題を解決するには、エミュレーター側で「擬似的に残像を作り出す」必要があります。
mGBAにはそのための機能が標準で搭載されています。
手順は非常に簡単です。以下の通り設定を確認してみてください。
mGBAを起動し、画面上部のメニューバーから [ツール] > [設定] をクリックします。

設定ウィンドウが開いたら、左側のリストから [ビデオ/オーディオ] を選択します。
右側の画面にある [フレーム間混合] という項目に注目してください。

▲この画面の通りに設定すれば解決します
- [フレーム間混合] にチェックを入れる(必須)
これが最も重要な設定です(英語名:Interframe Blending)。
ここにチェックを入れることで、前のフレームと今のフレームを混ぜ合わせ、擬似的に「残像」を再現します。 - [フレームスキップ] が「0」であることを確認する
ここが「0」以外(オートなど)になっていると、点滅している絵の片方が処理落ちして飛ばされ、透明にならずに「消えて」しまうことがあります。
「常時 0 フレーム」にしておくのが最も安定します。
最後に右下の [OK] をクリックして設定を保存します。
これで設定は完了です。ゲーム画面に戻ってみてください。
先ほどまで激しく点滅していたウィンドウや背景が、しっとりとした「半透明」に変わっているはずです。
劇的変化! これで名作が「思い出通り」に
この設定をオンにすると、以下のような変化が現れます。
- 『牧場物語』シリーズ 会話ウィンドウや雨のエフェクトが、目に優しい半透明になります。
- 『F-ZERO』シリーズ コースの半透明処理が綺麗に繋がり、スピード感が増します。
- 『ロックマンエグゼ』シリーズ メニュー画面などの透過表現が正しく表示されます。
- 『黄金の太陽』シリーズ 召喚エフェクトなどの激しい点滅がマイルドになり、美しくなります。
「そうそう、昔遊んだときはこんな画面だった!」 そう感じられたら大成功です。
技術の進歩で失われてしまった「味」を、設定ひとつで取り戻すことができました。
まとめ:今の環境に合わせて「思い出」を最適化しよう
当時の開発者たちが、限られたハードスペックの中で「いかに美しく見せるか」を工夫していたことには頭が下がります。
そして、その工夫を現代の環境で再現できるようにしてくれているmGBAの開発者にも感謝ですね。
設定さえ整えてしまえば、GBAのドット絵は今見ても色褪せない素晴らしい芸術です。
画面のちらつきストレスから解放された状態で、ぜひもう一度、あの頃の冒険に没頭してみてください。
